小話だけど大事な話

脂質代謝と肥満ホルモン

人は1日に消費するエネルギーの90%以上を脂質代謝によって生産しています。

しかし、肥満ホルモンは脂質代謝を歪めます。

今回は脂質代謝と肥満ホルモンの関係の話。

肥満ホルモン・インスリン

肥満ホルモンの正体はインスリンです。


インスリンは食事によって上昇した血糖値を下げることで知られていますが、肥満ホルモンとしても有名です。


ではなぜインスリンは肥満ホルモンと呼ばれているのか。
その理由はご存じですか?


これを理解すると太る要因、痩せない要因が明確になってダイエットが非常に楽になります。


脂質代謝を歪ませるインスリン

インスリンは血糖値を下げるホルモンと広く認知されていますが、実際は少し違います。


インスリンは血中の糖を筋肉細胞に取り込ませるホルモンです。
その結果、血中の糖濃度が下がる(血糖値が下がる)のです。


インスリンの分泌量は糖質の摂取量に比例します。
たくさん糖質を摂取すれば、血糖値を元に戻すためたくさんのインスリンが必要になるからです。


多量に分泌されたインスリンは代謝にどのような影響をもたらすのか。


一言で言うと脂質代謝を妨げます。


本来、筋肉細胞は中性脂肪とブドウ糖をバランスよく取り込みます。


しかし、インスリンは筋肉細胞にできるだけブドウ糖を取り込ませようと中性脂肪の取り込みを妨害します。


そして、血中に余った中性脂肪は脂肪細胞に詰め込まれます。


さらに、脂肪細胞に詰め込まれた中性脂肪の分解を抑制します。


これが太る要因、痩せない要因です。


インスリンはなぜ脂質代謝を妨げるのか

インスリンはなぜ脂質代謝を妨げてまでこんなにも強力に中性脂肪を蓄えさせようとする性質を持つのか。


それは必要だからです。


代謝のシステムはとても精密で無駄なく、奇跡のようなバランスで働いています。


インスリンによる中性脂肪蓄積システムとも呼べる代謝も必要だから働いているのです。


人類が誕生したのが400万年前。
農耕を始めたのが8000年前、生成された糖質を食べるようになったのはここ50年の話。


誕生してから農耕が始まるまでの399万年以上の間、人類は骨(骨髄)と肉を主食にしていました。


骨(骨髄)と肉の栄養素を調べると脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの4大栄養素が豊富で糖質はほとんど含まれていません。


インスリンの分泌量は糖質の摂取量に比例します。
つまり人類はインスリンを多量に分泌する環境にはなかったのです。


人類は自然の中では間違いなく弱者です。


そんな厳しい環境の中で生き残るためにメインエネルギー源である中性脂肪をできるだけ蓄えさせ、無駄なく使うために脂質代謝の働きを抑制するシステムを構築したのです。


ところが、糖質を主食にし、なおかつ飽食の時代である現代ではインスリンによる中性脂肪蓄積システムが裏目に出てしまってりるわけです。


24時間大炎上の中性脂肪

ダイエットには脂質代謝を活発には働かせ、中性脂肪をごっそり減らす必要があります。


もう答えは出ていますね。


糖質を食べないことです。


インスリンが分泌されなければ中性脂肪の分解が24時間常に働くようになります。


脂質代謝が活発になったことが解る目安が体温です。


脂質代謝が活発に働くと体温が上昇します。


体温の平熱は36.5度前後と言われていますが、これは間違い。


36度半ば~37度が正しい平熱です。


もちろん筋肉量によって多少違いは出るでしょうが、体温の上昇がうまく糖質をカットできている証拠になるでしょう。


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